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【特別編】世界の学力調査「PISA」の変遷から読み解く、これからの時代に必要な本当の学力
進学教室 興学院 拝島校
更新日 2026/09/09 作成日 2026/09/09
こんにちは!塾長の水野です。
9月に入り、朝晩の風に秋の気配が感じられるようになりました。学校行事などで慌ただしくなる時期ですので、体調管理にはくれぐれもお気をつけください。
さて、2026年9月8日、OECDの国際学力調査「PISA 2025」の結果が公表されました。

日本は、科学・数学・読解力の3分野すべてでOECD加盟国中1位となり、引き続き世界トップ水準の学力を示しました。しかし、読解力の低下や学力差の拡大、自分で学習を計画する力など、見過ごせない課題も明らかになっています。
今回は、PISAが測る学力と日本の変遷、そして最新結果から見える、これからの時代に必要な力について解説いたします。
PISAが測る「知識を活用する力」
PISA(生徒の学習到達度調査)は、15歳の生徒を対象として、OECD(経済協力開発機構)が原則3年ごとに実施する国際学力調査です。特徴は、知識そのものだけでなく、身につけた知識や技能を実生活に近い場面で活用できるかを重視していることです。文章や資料、グラフから必要な情報を読み取り、考え、判断する力が問われます。
2003年、2006年の調査では、日本の読解力や数学的リテラシーの順位、平均得点が低下しました。特に読解力は、2000年の8位から2003年には14位、2006年には15位となり、「PISAショック」と呼ばれました。
PISAだけが理由ではありませんが、これをきっかけの一つとして教育内容が見直され、基礎的な知識・技能に加え、「思考力・判断力・表現力」が重視されるようになりました。
その後、日本の読解力は一度回復したものの、2018年には再び低下しました。この調査では、複数の文章やWebページ形式の情報を読み比べ、信頼性を判断する問題が重視されました。日本の生徒には、複数の情報を関連づけ、根拠を明確にして答えることへの課題が見られました。
PISA 2025、日本の結果
PISA 2025には、世界91の国・地域から76万人を超える生徒が参加しました。
日本の結果は次のとおりです。
・科学的リテラシー 538点/全参加国・地域中5位
・数学的リテラシー 525点/全参加国・地域中5位
・読解力 503点/全参加国・地域中4位
・コンピューターを活用した問題解決力 557点/全参加国・地域中4位
科学・数学・読解力の3分野では、すべてOECD加盟国中1位となりました。科学では89%、数学では84%、読解力では81%の生徒が、基礎的な習熟度である「レベル2」以上に到達しています。また、高度な問題に対応できる上位層の割合も、3分野すべてでOECD平均を上回りました。
新たに示された「コンピューターを活用した問題解決力」は、コンピューター上で試行錯誤しながら、データを分析したり、プログラムやモデルを修正したりする力を測るものです。日本はこの分野でも世界上位となりました。
世界トップ水準でも残る課題
前回のPISA 2022と比較すると、科学と数学は統計的にはほぼ同じ水準でしたが、読解力は低下しました。さらに、上位層と下位層の得点差が、科学・数学・読解力のすべてで広がりました。日本全体の学力は高くても、すべての生徒が同じように力を伸ばしているわけではありません。
また、日本の生徒の76%が「能力は努力によって伸ばせる」と考え、OECD平均の69%を上回りました。一方、自分なりの勉強方法を計画することが「よくある」と答えた生徒は約21%にとどまっています。
私自身、日々の指導で、「何を勉強すればよいか分からない」「言われたことはやるけれど、自分で計画を立てるのは苦手」という生徒が少なくないと感じています。
これから必要なのは、決められた問題を解く力だけでなく、自分に必要な学習を考え、実行し、やり方を修正する力です。
考えたことを言葉にする
過去のPISAでは、日本の生徒は、複数の情報を結びつけたり、根拠を文章で説明したりする一部の記述式問題で、課題が見られました。
実際の指導でも、
「なぜ、そう考えたのか」
「どの情報を根拠にしたのか」
と問われると、手が止まってしまう生徒は少なくありません。
高校入試や大学入学共通テストでも、資料や会話文、グラフ、データを読み取り、知識を活用して考える問題が重視されています。PISAだけが入試を変えたわけではありませんが、現在の教育や入試が重視する「知識を活用して考え、判断し、表現する力」と、PISAが測る力には多くの共通点があります。
Monoxerを活用する理由
興学院で記憶定着アプリ「Monoxer(モノグサ)」を活用しているのは、基礎知識を効率よく、確実に身につけるためです。思考力が重視されても、知識が不要になったわけではありません。英単語や漢字、理科・社会の用語、数学の公式は、考えるための大切な材料です。Monoxerによって知識の定着を効率化し、授業では、その知識を使って考える問題や、対話、応用・記述問題に、より多くの時間を充てています。
「覚えること」と「考えること」の両方を大切にすることが、これから必要な学び方です。
家庭でできる3つの取り組み
考える力を伸ばすために、特別な教材を用意する必要はありません。日頃の会話を少し変えるだけでも、子どもが考え、言葉にする機会を増やせます。
1.「何点取れたの?」だけでなく、「どうやって解いたの?」と聞く
自分の考え方を人に説明することは、思考を整理し、言葉で表現するための大切なトレーニングです。
2.「どう思う?」に加えて理由を尋ねる
ニュースや日常の出来事について、「どうしてそう思ったの?」と聞いてみてください。正解を求めるのではなく、理由を添えて話せたことを認めることが大切です。
3.勉強前に目標を決める
「今日は何をできるようにする?」「どの教科から始める?」と問いかけ、子ども自身に考えさせます。学習後に振り返ることで、自分で学習を調整する力も育ちます。
覚えるだけで終わらない授業を
興学院では、定期テスト対策や入試対策を徹底しながら、「自ら考え、表現する力」を育てることも大切にしています。
授業では、公式や解き方を教えるだけでなく、
「なぜ、その答えになったのか」
「どの部分を根拠にしたのか」
「ほかの解き方はないだろうか」
と問いかけ、生徒自身の言葉で説明してもらいます。
問題が解けなかったときも、すぐに答えを教えるのではなく、「どこまでは分かったのか」「次に何を使えばよいのか」と確認し、自分で解決への道筋を見つけられるよう指導しています。
今回のPISA 2025から見えてきたのは、「日本の子どもたちの学力は高い。しかし、すべての子どもが同じように力を伸ばしているわけではない」という現実です。
学んだ知識をどう使うか。自分で学習を進められるか。分からない問題にも粘り強く向き合えるか。これからは、そうした力を一人ひとりに育てることが重要になります。
「応用・記述問題になると手が止まってしまう」
「自分で学習計画を立てることが苦手」
「暗記だけでなく、考えて表現する力を身につけさせたい」
そのようにお悩みのお知り合いやご友人がいらっしゃいましたら、ぜひ興学院をご紹介ください。
目の前の点数アップはもちろん、これからの時代に必要な「自分で考える力」と「考えることの楽しさ」を育てる指導を、責任を持ってお届けいたします。
無料体験授業や学習相談も随時受け付けておりますので、ぜひお気軽にお声がけください!
【参考資料】
OECD「PISA 2025 Results(Volume I)」
OECD「PISA 2025 Results―Country Notes:Japan」
文部科学省・国立教育政策研究所「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」関連資料
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