2023.09.01
偏差値とは?受験を迎える前に自分の偏差値を把握しよう!

受験生にとって、志望校の選択や自分のレベルの把握に欠かせないのが「偏差値」です。しかし、偏差値がどういう意味なのか、どうやって上げるのか、分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、偏差値の基礎知識と、効果的な勉強方法をわかりやすく解説します。
Contents
偏差値とは
偏差値とは、模試やテストの受験生全体から、自分がどの位置にいるかを表した数値です。昭和50年頃から評価基準として導入され、現在も採用されています。
偏差値は、学力の水準を合理的に評価できることが特徴です。たとえば、模試やテストで自分がどのくらいのレベルにいるかを判断する基準には「平均点」がありますが、平均点は教科や試験の難易度、受験者数で上下します。一方で偏差値はすべての教科で平均点を「50」に変換して計算するため、テストの難易度や受験者数の影響を受けません。
▼例:テストで「80点」を取った場合
平均点が「50点」だった…偏差値は50より上で平均より上
平均点が「90点」だった…偏差値は50より下で平均よりも下
偏差値は集団の中で、自分がどの位置にいるかを把握できる便利な指標です。
偏差値の計算方法(求め方)
偏差値の計算方法と、算出に必要な標準偏差について解説します。
標準偏差とは
偏差値の算出には「標準偏差」を使用します。標準偏差とは、テストを受けた集団における得点のばらつき具合を示す数値の平均です。標準偏差は同じテストを受けた全員の得点情報から算出される数値のため、受けたテストや科目によって常に数値が変化します。
たとえばテストを受けた中で多くの人が同じくらいの点数ならばらつきは小さくなり、高得点から低得点まで点数が広く分布している場合は、ばらつきが大きくなります。
標準偏差は「(点数ー平均点)の二乗の総和÷受験者数の平方根」の計算式で算出できます。
偏差値の計算方法
偏差値は「(個人の得点ー平均点)÷標準偏差×10+50」の計算式で算出できます。
例:平均点70点のテストで80点を取った場合
標準偏差=20
(80ー70)÷20×10+50=偏差値は「55」
偏差値の求め方は上記の標準偏差を使った計算方法が一般的です。ただし、偏差値の目安を知りたいときには「50+(自分の得点ー平均点)÷2」の計算式でも簡易的に算出ができます。
「偏差値が高い」は具体的にどれくらい?
偏差値からは、試験を受けた受験者全体の中で自分がどのくらいの位置にいるのかを客観的に把握できます。ただし、偏差値を特定し高いか低いかの判断は、その試験の得点分布(標準偏差)によって異なるため注意が必要です。
以下に、試験の得点が正規分布の場合の偏差値の目安をまとめました。
「偏差値は、何点以上から高いと言えるか」という問いには、個人の感覚によって異なる答えがあります。受験者全体で見ると、「上位20%に入れれば高い」と考える方もいれば、「上位5%以下だと低い」と思う方もいます。
また、偏差値は試験を受けた人々の学力レベルによっても変動します。試験を選ぶ際には、「自分は何位以内に入りたいのか」という目標を明確にし、その目標に合った偏差値を確認することが大切です。
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「偏差値50」のレベルについて
偏差値において、基準として「偏差値50=平均点」が用いられます。したがって、偏差値が50よりも高ければ平均点を上回る位置にあり、50より低ければ平均点を下回る位置にあります。
偏差値が50の場合、自身の位置は「最上位からの割合が50%に相当する」ことになります。たとえば、偏差値50の場合、100人の受験者がいるなら順位は50位となり、200人の受験者がいるなら順位は100位となります。
高校受験や大学受験で偏差値が必要な理由
偏差値が高校受験や大学受験で必要になるのは、志望校選びのひとつの指標となるからです。受験する高校や大学ごとに、目安の偏差値が決まっています。たとえば自分の偏差値よりも上の学校に入学した場合、自分の学力よりも周囲の学力の方が高いため、入学したばかりのころは周りのレベルに追いつくのが大変かもしれません。逆に自分の偏差値よりも下の学校に入学した場合、周囲の学力よりも自分の学力が高い状態のため、余裕を持ってスタートできることになります。
自分の現在の学力と学校の学力レベルを比較し、志望校を選ぶうえでも偏差値が重要な指標となります。
偏差値の注意点
偏差値は自分の学力の把握や志望校選びに活用できるひとつの指標ですが、偏差値のみではなく受験した試験の内容や難易度などの状況、受験者の能力分布などもあわせて考慮することが大切です。
偏差値は特定の試験に対しての相対的な評価値であり、試験の難易度や受験者の能力分布などの要素によって大きく変動します。偏差値のみではなく、その偏差値が算出された試験の内容や状況についても考慮し、評価するようにしましょう。
また、志望校選びの基準に偏差値のみを重視するのは厳禁です。偏差値はあくまで学校の学力が全体のどの位置にいるかを示した目安であり、学校の魅力や特色、校風を表すものではありません。偏差値を参考にしつつ、特色や授業の内容、進路などの要素も踏まえて自分の希望に合った学校を選ぶことが重要です。
偏差値で志望校を検討するためには「模試」を受けよう
自分の志望校を決めるうえで、偏差値はひとつの目安になります。「どの学校を受験していいか分からない」「特色や校風が似ている学校が多くあり、どこに絞っていいか分からない」など、志望校選びに迷っているときには、偏差値から志望校を判断するために地域の大規模な模試を受けるのがおすすめです。
模試を受けて偏差値が出れば、学校内だけでなく地域の受験生の中で自分がどのくらいの位置にいるかが分かります。特に高校受験では地域の受験生全員が自分のライバルです。模試を受けることで、自分はどの位置にいるのか、どの高校を目指せばいいか、志望校に合格する確率はどのくらいか、ということが把握できます。模試が開催される機会があれば、ぜひ受験してみましょう。
偏差値を10上げる具体的な方法
「自分の受けたい高校の偏差値が自分の偏差値よりも高い」「よりレベルの高い位置を目指したい」などで、偏差値を上げたいと思っている受験生の方も多いですよね。偏差値は特定の模試やテストを受けた集団の中で自分がどの位置にいるかを表した基準のため、自分の学力を上げれば当然偏差値も上がります。
おもな偏差値を上げる方法は、以下の3つです。
・現状よりも学習時間を多く確保する
・計画的な学習をする
・学習塾に通う
それぞれ具体的に解説します。
現状よりも学習時間を多く確保する
勉強していてもなかなか偏差値が上がらない場合、勉強する時間が短い、足りない可能性があります。基礎学力にもよりますが、一般的に偏差値を1上げるには、1科目当たり「約30~50時間の勉強が必要」と言われています。つまり偏差値を10上げたいのなら、単純に計算しても1科目当たり約300時間〜500時間の勉強が必要です。まずは学習する時間を今よりも多く、しっかり確保するようにしましょう。
計画的な学習をする
「偏差値を10上げるために〇〇時間勉強する」という目標を設定し、必要な学習時間を確保しつつ目標に向かって学習することで、偏差値を上げることができます。ところが「偏差値を10上げるために1000時間勉強する」という目標を掲げても、なかなか学習のモチベーションが続かなかったり、「1000時間の学習時間を消費する」ことが目的になってしまい、効果の低い学習時間を過ごしてしまったりすることが多いです。
ただ効果の低い学習を行うのではなく、計画的な学習と効率的な時間管理を行うことで学習の成果が出て、偏差値アップにつながります。具体的な方法としては、大きな目標設定後は、小さな目標設定を行うことが有効です。たとえば「偏差値を10上げるために1500時間勉強する」ことを大きな目標として設定後、1年間をかけて達成する場合に1日当たりに必要な勉強時間を算出します。1500時間÷365日=「約4.1時間」のため、1日約4時間の学習時間を確保するなら、朝や放課後の時間を使って十分やりくりができます。部活などほかの予定が入ってしまって1日の学習時間が確保できない場合でも、1週間単位での学習時間や勉強の進捗状況を振り返り、調整すれば問題ありません。
計画的な学習と効率的な時間管理をすれば、部活、課外活動、友人との時間などのプライベートとも両立しながら偏差値を上げるのは十分可能です。
学習塾に通う
自宅で勉強時間を今以上に確保しようとしても「自分の部屋では誘惑が多く集中できない」「家族の話し声や視線が気になる」などの理由でなかなか勉強が進まない受験生も多いかもしれません。この場合は、塾を利用することで必然的に勉強時間が確保されます。
塾を利用すると、分からないところがあってもすぐに質問できます。自宅学習や個人での学習では、分からないところがあると勉強する手が止まったり、集中力が切れてしまったりしますが、塾ならスムーズに学習を進めることができます。
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偏差値の基礎知識や計算方法、偏差値を上げる方法について解説しました。偏差値は自分が受験生の中でどのくらいの位置にいるかを把握することができ、志望校選びにも役立つ指標です。偏差値は自分の学力が上がれば当然上がります。「志望校合格のために偏差値を上げたい」と考えているときには、学習時間を増やしたり計画的な学習を進めたりするほか、学習塾に通う方法も有効です。
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