2026.08.31
内申点の仕組みとは?計算方法から上げ方まで解説

「テストの点数はそこそこ取れているのに、内申点がなぜか伸びない」「そもそも内申点って何を見て、どう点数になっているの?」保護者面談でもっとも多く聞かれる質問のひとつが、この内申点の仕組みについてです。
結論から言うと、内申点は通知表の評定(5段階評価)を点数化したもので、高校入試では当日の学力検査の点数と合算されて合否が決まる「もう一つの得点」です。しかも東京都・神奈川県・千葉県では対象学年や満点、実技教科の扱いまでルールが大きく異なります。この記事では、内申点の基本的な仕組みから、東京都・神奈川県・千葉県それぞれの違い、今日から実践できる内申点の上げ方までを解説します。
Contents
この記事でわかること
- 内申点は通知表の評定を点数化した「調査書点」で、入試の総合得点の3〜4割前後を占める、事前に確定している“貯金”のような得点
- 東京都は実技4教科を2倍にする「換算内申」、神奈川県は中2・中3の成績、千葉県は中1〜中3の全学年が対象など、都県によって仕組みがまったく違う
- テストの点数だけでなく、提出物・授業態度・実技教科への取り組みが評定に直結するため、中1からの積み重ねが最終的な点差になる
内申点とは?高校受験における役割

内申点とは、中学校の通知表に記載される9教科(国語・数学・英語・理科・社会・音楽・美術・保健体育・技術家庭)の評定(5段階評価)を、入試のために点数化したものです。学校が作成する「調査書(内申書)」に記載されることから、調査書点と呼ばれることもあります。
評定そのものは、定期テストの点数だけで決まるわけではありません。各教科は
- 知識・技能
- 思考・判断・表現
- 主体的に学習に取り組む態度
という3つの観点別評価をもとに総合的に判断されます。つまり、テストで高得点を取っていても、提出物の遅れや授業態度の評価が低いと、評定が伸び悩むことがあります。
高校入試の多くは、「学力検査(当日のテストの点数)」+「内申点(調査書点)」の総合得点で合否が決まる仕組みです。学力検査は当日1回勝負ですが、内申点は中学校生活の積み重ねによってすでに“ある程度確定した得点”になっているのが最大の特徴です。だからこそ「内申点は関係ない」と考えて対策を後回しにすると、本番で不利になるケースが少なくありません。
内申点の仕組み・計算方法の基本

全国的な基本の考え方は共通していますが、最終的な満点や倍率の付け方は都道府県ごとに異なります。まずは共通するベースを押さえておきましょう。
- 9教科×5段階評価が基本単位:1教科5点満点×9教科=45点満点が、いわゆる「素内申(生の評定合計)」です。
- 実技4教科を重視する地域がある:音楽・美術・保健体育・技術家庭の実技4教科の評定を2倍にして計算する地域があります(東京都の「換算内申」が代表例)。
- 対象学年が地域によって異なる:中3の1学期・2学期のみが対象の地域もあれば、中1〜中3の全学年が対象になる地域もあります。
- 入試の総合得点に占める内申点の比率も、都県・学校ごとに設定が異なります。
つまり「内申点=全国共通のルール」ではなく、お住まいの都県の制度を正しく知ることが第一歩です。次章で、東京都・神奈川県・千葉県それぞれの制度を比較します。
【都県別】東京都・神奈川県・千葉県の内申点の仕組み比較
※以下は令和8年度(2026年度)入試時点の一般的な制度です。学校・学科ごとに比率や係数が異なる場合があるため、志望校が決まったら必ず各都県教育委員会の最新の選抜要項でご確認ください。
| 項目 | 東京都立 | 神奈川県立 | 千葉県立 |
|---|---|---|---|
| 対象学年 | 中学3年(2学期・3学期の評定が中心) | 中学2年・中学3年(3年の評定を2倍) | 中学1年〜3年の全学年(学校により中3を2倍にする「算式2」もあり) |
| 内申点の満点 | 換算内申65点満点→調査書点300点に換算 | 135点満点 | 135点満点(学校ごとの係数Kを乗じる場合あり) |
| 実技4教科の扱い | 2倍にして計算(換算内申の特徴) | 他教科と同じ倍率(実技だけの加算なし) | 他教科と同じ倍率(実技だけの加算なし) |
| 入試総合点の満点・比率 | 学力検査700点+調査書300点+ESAT-J(英語スピーキング)20点=1,020点満点(原則7:3、体育・芸術科は6:4) | 学力検査500点+内申点135点を、学校ごとの比率で加重(例: 2:8:2など) | 学力検査500点前後+調査書(学校ごとの係数)+学校設定検査。学校により配点構成が異なる |
| 押さえておきたいポイント | 実技教科の評定1つの差が総合得点に大きく響く。日頃の実技科目対策が合否を左右しやすい | 中2の成績からすでに合否判定の対象。「中3から本気を出す」では遅い | 中1の内申から使われる学校が多く、入学直後からの積み重ねが3年分そのまま反映される |
こうして並べると、同じ「内申点」という言葉でも、いつから・何を・どのくらいの比重で見られるかがまったく違うことがわかります。
各都県の入試に関する情報はこちらの記事をご覧ください。
興学社学園の教室での指導実践
興学社学園グループの教室では、中1・中2の保護者面談で最初にお伝えしているのが「内申点はテストの点数だけでは決まらない」という事実です。実技教科の提出物や授業態度についても、通知表が返ってくる前に本人と一緒にチェックする習慣づけを行っています。特に千葉県・神奈川県エリアの教室では、中1・中2の時点からすでに入試の得点に直結することをお伝えし、部活動との両立を含めた学習計画のご相談に対応しています。
内申点の上げ方|今日からできる7つの行動

- 提出物は「期限内・丁寧に」を徹底する:観点別評価の「主体的に学習に取り組む態度」に直結します。
- 実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の授業に本気で取り組む:特に東京都は実技教科の評定が2倍で効いてきます。
- 忘れ物・授業態度を整える:日々の記録として評定に反映されやすい項目です。
- 定期テスト前は「提出物の締切」から逆算した学習計画を立てる:テスト対策と提出物対応を両立させます。
- 授業中の発言・質問を増やす:主体性の評価にプラスに働きます。
- 通知表が返ってきたら、良かった点・課題を保護者と一緒に振り返る:次の学期にすぐ活かせます。
- 早めに塾や学校の面談で「今の内申点」を客観的に把握する:現在地がわかれば、対策の優先順位が明確になります。
内申点は一夜漬けでは伸びません。ただし、上記の行動は今学期からすぐに始められるものばかりです。特に千葉県・神奈川県のように中1・中2の成績も対象になる地域では、「まだ受験生じゃないから」と後回しにしないことが何より重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 内申点はいつの成績から対象になりますか?
A. 都県によって異なります。東京都立は主に中学3年の内申(換算内申)が中心ですが、神奈川県は中学2年・3年、千葉県は中学1年〜3年の全学年が対象になるのが一般的です。お住まいの都県の制度を早めに確認しておきましょう。
Q. オール3の内申点は何点ですか?
A. 東京都の場合、9教科すべて評定3(実技4教科を2倍換算)だと換算内申は39点(65点満点)程度になります。神奈川県の場合、135点満点で中2・中3ともオール3であれば81点程度が目安です。ただし学校や年度によって算出方法が変わるため、あくまで目安としてご覧ください。
Q. 内申点が低くても学力検査で逆転できますか?
A. 都県や学校の配点比率によりますが、内申点の差は当日の学力検査の得点力でカバーできる範囲であることが多いです。内申点だけで合否が決まるわけではないため、志望校の配点比率を確認したうえで、当日の得点力を伸ばす対策も並行して進めることをおすすめします。
Q. 内申点と模試の偏差値は同じ指標ですか?
A. 別の指標です。模試の偏差値は模試当日の学力を測るものですが、内申点は定期テストに加え、提出物や授業態度などの平常点も反映されます。模試の偏差値が高くても内申点が伸び悩むケースもあれば、その逆もあり得ます。
まとめ
- 内申点は通知表の評定を点数化した「調査書点」で、入試では学力検査と合算されて合否が決まる
- 東京都・神奈川県・千葉県で対象学年・満点・実技教科の扱いがまったく異なるため、まず自分の都県の制度を正確に把握することが第一歩
- 提出物・授業態度・実技教科への取り組みなど、日々の積み重ねが内申点に直結する。中1・中2からの対策が特に重要な地域もある
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監修者情報
興学社学園グループ編集部
「プリンス進学院」「興学院」「東大ゼミナール」「個別指導Wings」を運営する興学社学園。公式コラムでは、各教室での指導実績に基づいた定期テスト対策や志望校選びのポイントなど、お子様の「生きる力」と「夢」を育むための情報を幅広くお届けしています。
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